Home
または旅のTopへ
Trouble Travel私のアブナイ旅の幕は切って落とされたのだ。 言葉はなんとかなるだろうなんて、お気楽だった。少ししゃべれる、というのではない。 中学生ぐらい(叱られるかな、中学生に)の程度しか理解できない。 私の気楽さには、訳がある。少し前、初めての海外旅行で一人旅、 しかも、フランスへ行き、言葉がわからなくても楽しく、帰ってこれたのだ。 英語ならなんとかよめるし、旅をするこつはどこも同じと思っていた。 だから、お気楽だったのだ。
旅ってとても楽しい。トラブルも笑えてしまう。
1996.June.1 その1ここはどこ?あたしは誰?カッスルクームへ行きたいのに、くすん。ここはどこ?あたしは誰?チッピンナムからずうっと歩きっぱなし。M4まで来てしまった。高架の道への上り道がなく土手をのぼった。あたしはMoterWayを歩いていたのだ。誰かに尋ねようと思っても、だ〜れも人がいなかったはずだ。牧場に野ウサギがいたので、聞こうと思ったけれど、彼等はとてもシャイですぐに草むらに隠れてしまう。 リュックを背負っているので後ろ向きにこけそうだった。こけて事故をおこし新聞沙汰にでもなったりしたら、日本の恥!リッチなはずの日本人が何故こんなところに?とか日本人の無謀な旅とか書かれるかもしれない。あたしは必死だった。 作家の村上春樹氏がバースから自転車でカッスル・クームに行ったらしいと何かの本に書いてあったと昨日バイブリーで出会った静岡の女の子が言っていたのを思い出す。彼は迷わずに着いたのだろうか。
カッスルクームは、とても素敵だった。でもあんまりゆっくり出来ずクヤシイ!帰りも、チッピンナムまで歩かなくてはならなかった。バスもタクシーも村には見当たらず、公衆電話はあったが、電話帳はなく、あったとしても何と言ってかければいいのかわからないので、どうしようもなかった。片道8Kmぐらいで迷わなければ1時間3〜40分さ。この日は6〜7時間、30Kmは歩いただろう。
その2長い、バースの夜は更けて土曜の夜……。街は人波であふれかえっていた。これがこの街では普通なのか、それとも何か行事でもあるのか理解すべもなかった。もう9時である。宿を探すには遅すぎた。 なんだかいやな予感がする。宿を探す。立派なホテルはあるがB&Bはないっ!やっと見つけたと思ってもNO Vacancy。ない、ない、ないっ!ないのだ!あたしは仕方なくホテルのチャイムを押した。上品そうなマダムが現われ、91ポンドと言った。1万6千円位だ。あたしは、断わった。もちろん、断わったのである。 普通の日本人の外国旅行ならば安い方であろう。チープな旅をしてきたあたしには高すぎた。3千〜3千5百円のB&Bに泊まっていた者が、5倍もするホテルに、寝るだけのために泊まれるものかと思ったからだ。あては全くなかった 坂道をくだりながら、もやもやと頭の中で考えていることを固めるのに、そう時間はかからなかった。野宿をすることに決めた。 や〜ん、イギリスに来てまでそんなことするなんて思ってなかったわ〜と1%ほどの良識が叫んでいたようだが無視!をする。(日本でも何回かやっているのに、今さら何を言うか!むろんキャンプの事ではないぞ。) 歩きつつベンチやら建物の陰に目がいく。あ〜、ついに来たか、この前も危なかったけどね。でもその時はなんとか野宿は回避できたけど、今日は本当にだめだった。 現金もT/Cもカードも2枚持っていたが、野宿の方が楽しいかもしれないし、うまくいくかスリルも味わえるかもしれない。 英語も理解できないくせに無謀な事をするもんだと、世間の人が知ったら非難するかもしれないが、いいさ。迷惑さえ人にかけなければね。 あるある丁度よい物陰が、おまけにコンテナまであるではないか。ベッド代わりにするがちょっと腰が痛い。で、地図帳をマット代わりに敷く。髪の毛を帽子の中にいれ深くかぶりリュックにもたれかかる。女であることが、日本人であることが解らないように、また、不審人物で通報されないように気配を殺す。 突然近くで若者の声がする。私を見つけて何か言っているのだ。万事窮す!浮浪者と思って冷やかしていると思うんだが、さっぱり解らない。あたしは身動きひとつしなかった。そのうち去って行くのは予想がついたから。 バシャバシャ、水を地面にまく音がした。えっ!小便?それともドリンク?なんだか解らない。一瞬、あたしはとんでもないことをしたくなった。「こらぁ!おまえら何しとんねん!」と大声を出し起き上がったら、面白いだろうと。きっと若者らは仰天して一目散に逃げ出すだろう。そんな光景を想像して笑いそうになった。が、日本のためにあたしは辛抱した。奴らはすぐ去って行った。ドーン、ドーン、花火の上がる音と共に歓声が聞えた。 これでもオ・ン・ナなのよね!少し寒い。それに何だか落ち着かない。何年か前に読んだ旅行記を思い出す。自転車かジョギングかでアメリカ横断をする話だった。キャンプをする時、安全面に不安を感じた時の泊まり方が書かれてあった。あたしはその彼の真似をすることにした。それはトイレで一泊することだった。近くにあった。というか野宿の第一条件はトイレの近くにある物陰と決めていたので手間は、はぶけた。コンテナをトイレに持ち込む。イギリスのトイレはとても広いし、きれいな方だと思う。ちょっと暖かいし 、何よりも鍵もかかる。安全なのだ。万が一用にもってきたホッカイロを足ではさみ、その足をスーパーの袋に突っ込んで縛る。 風呂の語源のバースの街で風呂にも入れず、シャワーも浴びることなく、トイレで一泊するなんて、なんてこったい!などと思いつつ、それを楽しんでいる無茶なあたしがちょっとこわい。隣りの隣りではイギリスの女の子が連れションしながらしゃべりまくっている。 録音できたら面白いのに、などと思っているうちに、あたしのちょっと不幸で楽しい一日は終わろうとしていた。 ああ、早く朝になれ!
その3 荷物を最小にするには?1.こまめに洗濯をすること。
移動しやすいように荷物は軽く小さい方がいい。
洗濯物をどこに干す?
英国は入国審査がうるさいらしい。日本からの気ままな旅でも初日の宿は決めておいたほうがスムーズに審査が進むとか。知り合いなどがいて、そこに泊まるとか、決めていなかったりすると、不法滞在、不法就労するおそれがあるとして、ビザ(パスポートに押す判子のこと)をもらうのに時間がかかるらしい。そんな訳で、1泊だけ到着日泊のホテル(9,000円)は決めておいた。
洗濯物の脱水方法
そうすれば、土産を買わなくてすむ。異国への旅は2回しかしていない。初めての旅はフランスだった。そのことは、誰も知らない。だから、なにも買わなくて良かった。新年の家族への挨拶も大晦日の深夜(時差は8時間)にパリから電話ですませた。直通だからわからない。出先からだと言ったが、まさかフランスからだとは思わなかっただろうナァ。市内通話の様によく聞えてたものネ。
英国旅行も誰にも言わなかったのだが、可愛い置物を会社の友人2人にあげたくなり、買ってしまった。じゃ、どうせ解るのならと、はがきを出した。外国からの便りをもらって嬉しかった思い出があるから。港区**4丁目までしか知らなかったが「配達の人、おねがいします」とか 色々書いて出した。そして、それは無事、配達された。感謝!
ふ〜む、「のたれ死に」って言葉、文字で見るとすごく情けない印象をうけるなぁ、気をつけよう!
万が一そうなった場合の帰国の運賃はファーストクラスになると聞いた。
じゃあファーストクラスの食事代は返してくれるのかしら?写真はシンガポール航空のエコノミークラスの食事。とても良かった。
朝食を待っているアニー(左)留学中の大石さんと大月さん
|
ベトナム -->カンボジア -->タイ -->インド -->ネパール --> 宿 -->こぼれ話 -->アンコール遺跡群 |