Top of Angkor/もっとアンコール

* 霧の彼方のプリヤ・ヴィヘア *

道路の左側にタイ側の展望台があり、その向こうにプリヤ・ヴィヘア・・・

情報は「閉鎖されている」だった。
しかし、開いているかもしれないとも思った。バスの時刻表でシーサケットを探していたらプリヤ・ヴィヘアを訪れるのに一番便利そうな街、カンタララック行きの夜行バスがあった。早朝に着く。これなら丸一日見学に時間を当てることが出来るし、泊まらずにその日の夜行で翌早朝バンコクに戻ってこられるのだ。
決めた。

今、東南アジアは雨期である。夕方から雨が降り始めやむ気配は全くない。やだな・・・
おまけに渋滞が始まった。北東ターミナルへは市バスで30分ぐらいなのだが、もっとかかるかもしれない。
いや、それより肝心のバスが来ないのだ。時間はまだ余裕があったが、落ち着かない。
「そうだ、列車で行こう」
少しだけいやな予感もあったので、列車の時間も調べておいた。バイタクにまたがりホアランポーン駅へ。急ぐときはこれに限る。
シーサケットが終点ではないので乗り越し注意だ。40分遅れで出発したが30分をどこかで取り返していて、本当に乗り越ししそうになったぞ。シーサケット〜カンタララック間は1時間に1本ぐらいバスは運行しているようだ。
「カオ・プラ・ヴィハーンはカンボジア側が閉まっている」とカンタララックのターミナルの人は言った。
その後「小さく見える」と。
「なに〜?!み、見えるんか〜!」
やはり行かねば・・・見たい!
プリヤ・ヴィヘアはダンレック山脈の急な崖の上にあるらしいが、タイ側からだと山に登っていく感覚はない。緩やかな坂道で、いつの間にかチェック・ポイントに到達していた。はやる心を抑えながらタイ側の遊歩道を歩く。ここから、見えるという展望台からの眺めは「最悪」だった。晴れていれば、豪快な眺望があっただろうに。
大きな溜息をつくには大きく息を吸わなければならないのを初めて意識した。頭上ではポールの留め具をカタカタと鳴らしながらタイ国旗が翻っている。ほんの少し脱力感。その国旗の東側に下への柵の付いた15メートルほどの遊歩道がある。行き止まりの柵の向こうにクメールのレリーフ3体はあった。
こんな風に写真を撮るのだ。

本当は、帰りにゆとりがあれば行こうと思っていた。見ることは叶わなかったが、 なに、そのうちに行くさ。
後日の事、バンテアイ・スレイのチェック係の男は言った。
「プリヤ・ヴィヘアは閉まっていない。でも遠い」

行ってみないと分からない・・・

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